2025.11.14
今回は、免疫細胞を含む患者由来乳がんエクスプラント(PDX)に対する弾性の影響について、
PeptiGelを使用した論文をご紹介します。

従来の三次元培養法では、動物由来成分を含むゲルを使用される事が多くありました。
しかし、この交絡因子により結果のバラつきが見られる事もありました。
また、他の合成ゲルでは長期培養中にゲルの弾性を維持できない事もありました。
そこでPeptiGelの自己組織化ペプチドゲル技術は、下記重要な利点を提供しました。

・長期安定な弾性
PeptiGelは長期間の培養期間を通じて一貫したゲルの弾性を維持。
ソフトマトリクス(~150 Pa)と硬いマトリクス(~6.5 kPa)を作成し、厳密な比較ができました。
・マトリクスの分解性
PeptiGelマトリックスは繊細な免疫細胞を傷つけることなく簡単に分解でき、
免疫細胞集団の特定に不可欠なフローサイトメトリー解析を簡単に実験できました
・バイオイナート:
PeptiGelは動物由来成分など交絡因子を含まないため、
観察された効果は機械的特性によるものであることが保証されます
この研究では、ソフトな腫瘍環境が下記のような免疫抑制の連鎖を起こす可能性が示唆されました。
・CD8+ T細胞の劇的な減少
・マクロファージM2表現型シフト
・免疫抑制因子であるFGF2とプロスタグランジンE2産生
この論文に興味をお持ちの方は下記リンクをご参照ください。
(英文:PeptiGel: Revealing a Link Between Tumor Stiffness and Immune Suppression)
PeptiGelの詳細はこちら