2025.09.15
細胞培養培地や生体試料(尿・血液など)から細胞外小胞(EV)を回収する場合、
血液以外のサンプルでは精製前に濃縮させる過程が必要です。

代表的な濃縮方法
1. 限外ろ過(UF): 遠心フィルターによりボリュームを急速縮小
2. タンジェンシャルフローろ過 (TFF): スケーラブルで穏やかな濃縮 + ダイアフィルトレーション
3. ポリマー沈殿: ポリマーがEVを集約し、緩やかなスピンでペレット化
濃縮後の精製方法
1. サイズ排除クロマトグラフィー(SEC): クリーンに精製、Exo-spinカラムはこの方式を採用。
2. 超遠心分離(UC): 従来よりよく用いられる遠心ペレット化

各解析法に合った組み合わせ
1. プロテオミクス(MS)
TFF/UF→SECは、回収と純度のバランスを保つ強力な組み合わせです
2. small RNA-seq/トランスクリプトミクス
ポリマー/タンパク質のキャリーオーバーを避けるために純度を優先: UF/TFF → SEC (単独沈殿を回避)
3. 機能的細胞アッセイと生物活性
SECベースのワークフローは膜の完全性を維持し、高速遠心の影響を最小限に抑えます
4. 血漿からのバイオマーカー探索
SECは良い第一選択肢です。リポタンパク質を最大限除去するには密度勾配遠心ステップを追加します。
下記アプリケーションノートは各濃縮・精製方式のメリットとデメリットをご紹介しています。
(英文:What are the options for concentrating EVs?)
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